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 司法書士:大関 繁夫

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障がいを持つ子のために資産を遺す

もう10年以上も前のこと

もう、10年以上前になります。私が初めて後見人に就任した当時に職業後見人として感じたことを、事例の形で中身を変更して話をしてみます。

①60代の夫婦X・Yと幼い時から障害を持ち、知的能力は3歳児くらいの30代の息子Aの3人の家族構成。

②私が関わったのは、先に母親Yが死亡し、Yの遺産を相続する必要上、障害者のAに成年後見人をつける必要が生じた。

③家庭裁判所からの依頼で、私がAの成年後見人に就任した。そして相続も完了した。

④その数年後、父親Xが死亡した。生前、父親Xは、障害を持つ子Aの将来のことを心配し、その子の面倒を頼むという意味を込めて、信頼できる親戚ZにXの遺産の全部を相続させる遺言を書いていた。

⑤私は、後見人の職務として、障害者Aの遺留分を主張し、父親Xの遺産の2分の1を確保した。

⑥これから先、Aが死亡したとき、Aには相続人がいないのと、障害者であるAには遺言を書く能力もないので、父親Xから相続した分も含めAの財産はすべて国庫に帰属してしまうことになります。

⑦このことを知っていた、父親Xは親戚ZにXの遺産の全部を相続させる遺言を書いたのです。この当時は、「信託法」が改正される前であったので、父親X亡き後は、Xはこのような方法で障害者であるAの将来を守ってやろうと考えたものと思われます。
 

父親のほんとうの願い

①自分が亡くなった後、遺言で全財産を親戚Zに渡すことにより、しっかりと息子Aの面倒を見てくれることを親戚のZに託したい

②息子Aが他界した段階で、自分が遺した財産を息子Aのために使ってもらい、余りがあれば、お世話になった親戚Zや周囲の人たちにわずかずつでも残したい。

 

ということを考えていたものと思われます。

民事信託の活用

 今回のように、成年後見制度を利用することにより、判断能力のない息子Aに代わり、その生活が最低限保証されるよう家庭裁判所の監督下が財産の管理を行うことは可能です。しかし成年後見制度においては、息子Aが亡くなった時点での財産をどう処分するかを後見人に託すことはできません。息子Aが自らの意志で遺言書を残すことができないため、息子A他界時に残った財産は、今回のように他に相続人がいなければ、国庫に納められてしまいます。

 民事信託を利用するとどうなるでしょうか。

 父親Xが委託者兼第一受益者、そして息子Aを第二受益者とします。そして信託の受託者を信頼できる第三者(親戚Zなど)にします。

 信託契約書には、第二受益者の死亡時の残余財産(残った信託財産)をどこに帰属させるかを指定します。この帰属先として「お世話になった施設」「援助してくださった人たち」等を指定することができます。これにより、障がいを持つ息子Aに対する父親Xの想いだけでなく、息子Aを支援してくださった人たちへの感謝の気持ちも実現させることが可能になります。

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